無線放浪歌　　　作者　不明
 

（一番）　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　
心猛くも　鬼神ならず　　　

　男と生まれて　情けはあれど　

母を見捨てて　波越えて行く

友よ兄等と　何時又会わん　
 

（二番）　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　
波の彼方の　波また波は　　

男多恨の　身の捨て所　　　

　胸に秘めたる　大願あれど　　

　生きて帰らじ　望みは持たじ　
 

(三番)　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　
怒涛に出でて　怒涛に沈む　

月の幾夜か　我らの夜は　　

南十字の　星影淡く　　　　

　島を求めて　サンゴの海へ